【コンサート見聞録】2019年4月~12月

4月~12月に足を運んだ演奏会をまとめてみます。
第25回 日本フルートフェスティヴァル in 横浜
(4月7日(日) 14:00~ 関内ホール)
アットホームな雰囲気の中、カルテットから総勢110名のプロ・アマ合同フルートオーケストラまで、バラエティー豊かな演奏を楽しむことができました。大好きなベルトミューの「アルカディ」を聴けたのもよかったし、「Beeモード付き頭部管」というものを使用したフルートの興味深い音色が聴けたのもよかったです(「パリのアメリカ人」で使用)。帰りは桜木町駅までゆっくりと散策。その道のりでたくさんの桜を見ることが出来てさらに癒されました。
【プログラム】 ▼ジュニアフルーティストによるアンサンブル(飯島和久 指揮): ◇アレグロ「ディヴェルティメント KV439b」より(モーツァルト) ◇虹の彼方に「オズの魔法使い」より(アーレン/磯崎敦博 編) ▼アマチュアフルーティストによるアンサンブル: ◇海の見える風景(岩田学) ▼神奈川フィルハーモニ管弦楽団フルートセクションによるアンサンブル: ◇アルカディ(ベルトミュー) ▼プロによる大編成のフルートオーケストラ: ◇パリのアメリカ人(ガーシュウィン/岩田学 編) ▼プロ・アマチュア合同のフルートオーケストラ: ◇組曲「ドリー」作品56 (フォーレ/岩田学 編)
【指揮】上野正博 【司会】皆川玲奈(TBSアナウンサー)
NHK交響楽団 第1912回定期公演 Aプログラム
(5月11日(土) 18:00~ NHKホール)
楽しみにしていた「ハルモニーレーレ」の演奏が非常に素晴らしかったです。指揮はこの曲の初演(1985年)も振ったエド・デ・ワールト。pppからffffまでの幅広いダイナミックレンジと「響き」の変化をこれでもかと体感できました(3楽章前半の繊細な響きのなんと美しいことか)。前プロはベートーヴェンのピアノ協奏曲「皇帝」。Es-durの主和音でコンサートがはじまり、Es-durの主和音でコンサートが締めくくられる、というプログラム構成が素敵ですね。
【プログラム】◇ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」(ベートーヴェン) ◇ハルモニーレーレ(J.アダムズ)
【指揮】エド・デ・ワールト 【ピアノ独奏】ロナルド・ブラウティハム
川越奏和奏友会吹奏楽団 第43回定期演奏会
(5月26日(日) 14:00~ ウエスタ川越)
オープニングは第30回記念定期演奏会の時に同団が委嘱した「奏楽V」。長年この団と親交がある飯島俊成氏の作品だけに、たいへん説得力のある演奏に仕上がっていました。今年の課題曲1番「あんたがたどこさの主題による幻想曲」は奏和の団員、林大地氏作曲によるもの。課題曲の枠を超え、長年愛されそうです。圧巻はネリベルの「アンティフォナーレ」。緊張感の持続が素晴らしかったです。
【プログラム】◇奏楽Ⅴ~春の小交響曲~(飯島俊成) ◇ビスマス・サイケデリアI(日景貴文) ◇《あんたがたどこさ》の主題による幻想曲(林大地) ◇行進曲《春》(福島弘和) ◇吹奏楽のための交響的断章 (福島弘和) ◇アンティフォナーレ(ネリベル) ◇サウンド・オブ・ミュージック(R.ロジャース/長生淳 編)
【指揮】佐藤正人
茅ヶ崎ウィンドシンフォニー レギュラーコンサート2019
(6月9日(日) 13:30~ 茅ヶ崎市民文化会館)
客席は幅広い年齢層のお客さんでギッシリ。地域から愛されているバンドというのがよくわかります。表情豊かな演奏と温かいサウンドが心地よく、司会進行される指揮の石井さんのお話も楽しかったです。ロビーには 清水大輔氏、小長谷宗一氏、そして私のサイン入り楽譜が展示されており、私に直接声をかけてくださった方もいらっしゃって嬉しかったです。
【プログラム】◇2019年課題曲II マーチ「エイプリル・リーフ」(近藤悠介) ◇忘れられた帝国(坂井貴祐) ◇All Wishes ~すべての願いを込めて~(清水大輔) ◇富士山 ~北斎の版画に触発されて~(真島俊夫) ◇サザンオールスターズ・アーリーヒッツ(小長谷宗一 編) ◇楽器紹介のためのミッキーマウス・マーチ(郷間幹男 編) ◇ジャパニーズ・グラフィティXVll 美空ひばりメドレー(星出尚志 編) ◇青春の輝き(宮川成治 編) ◇スピリティッド・アウェイ(森田一浩 編)
【指揮】石井弘樹
東京佼成ウインドオーケストラ 第144回定期演奏会
(6月15日(土) 14:00~ 東京芸術劇場)
この日は東京佼成ウインドオーケストラとシエナ・ウインド・オーケストラが演奏会を開催。前者は14:00~、後者は17:30~と開始時間が異なっている上、両者のホールも地下鉄で10分の距離にあったのでハシゴした人も多かったようです。私もその一人。どの曲も大変質の高い演奏だったのは言うまでもありませんが、中でも、演奏時間約35分、編成が大きく第4楽章にはバスバリトンの独唱も入る「シンフォニック・レクイエム」 が聴けたのは貴重でした。
【プログラム】◇鳳凰が舞う-印象、京都 石庭 金閣寺(真島俊夫) ◇壁(ベトナムで戦った人たちの想い出)(R.ジェイガー) ◇トーンプレロマス55(黛 敏郎)(*) ◇シンフォニック・レクイエム(V.ネリベル)(**)
【指揮】大井剛史 【ミュージカル・ソウ(*)】おぎ原まこと 【バスバリトン(**)】久保和範
シエナ・ウインド・オーケストラ 第48回定期演奏会
(6月15日(土) 17:30~ 文京シビックホール)
シエナ・ウインド・オーケストラが4人のヨーロッパ人作曲家、4人の日本人作曲家それぞれに新作を委嘱し全曲初演する、というすごい演奏会。注目度の高い演奏会だけにロビーではかなり多くの作曲仲間と遭遇しました。各曲、作曲家の個性が出ていましたが、中でも印象に残ったのは挾間美帆作品。一言でいうと「かっこいい」。挾間さんは2017年からシエナ・ウインドのコンポーザー・イン・レジデンスに就任していますが、今後生み出されるであろう新作も楽しみです。
【プログラム】◇Eastbound(オリバー・ヴェースピ) ◇寿-KOTOBUKI-(福田洋介) ◇Beating Beats(ヤン・ヴァンデルロースト) ◇Immortal Anthem(清水大輔) ◇DA VINCI for wind orchestra(ヨハン・デ・メイ) ◇じゆびれえしよん – 吹奏楽のための(中橋愛生) ◇VARIATIONS ON A FORTH(フィリップ・スパーク) ◇The Tigress(挾間美帆)
【指揮】原田慶太楼
めざましクラシックス サマースペシャル2019
(7月29日(土) 18:30~ サントリーホール)
高嶋ちさ子さんをトップとしたピアノ六重奏(Vn./Vn./Vla./Vc./Cb./Pno.)の形態を核として、クラシックの名作からゲスト出演した春畑道哉さん森高千里さんの名曲まで、ジャンルを超えた作品の数々が演奏されました。高嶋さんと軽部さんのトークも予想通りの楽しさ。個人的なクライマックスは、先述の編成をバックに森高千里さんが歌った『雨』と、その編成にさらに「12人のヴァイオリ二スト」が加わった『渡良瀬橋』。伊賀拓郎さんによるアレンジも素晴らしく、感激しました。
【プログラム】めざクラ版音楽史メドレー ◇悪魔のロマンス(ピアソラ) ◇めぐり逢い(ギャニオン) ▼プレイヤーゲスト~春畑道哉~: ◇J’S THEME 25th ver. ◇JAGUAR ’13 ▼スペシャルゲスト~12人のヴァイオリニスト~: ◇天国と地獄(オッフェンバック) ◇モルダウ(スメタナ) ◇ボレロ(ラヴェル) ▼ヴォーカルゲスト~森高千里~ ◇私の夏 ◇雨 ◇渡良瀬橋 ◇歌劇「アイーダ」より凱旋行進曲(ヴェルディ)
【出演】高嶋ちさ子(Vn.)、軽部真一(フジテレビアナウンサー) 【スペシャルゲスト】森高千里、春畑道哉、12人のヴァイオリニスト
ブラック・ダイク・バンド 東京芸術劇場 Presents ブラスウィーク2019
(10月31日(木) 19:00~ 東京芸術劇場)
3年前の来日公演以来、毎回楽しみにしている「ブラック・ダイク・バンド」。今回も心に残るいいコンサートでした。トリに演奏された「シャイン・アズ・ザ・ライト」を聴いてじんわりしていたところに、アンコールの「ハイランド・カテドラル」が始まって涙腺崩壊。たいへん美しく、感動的な演奏でした。それにしても、やはりこのバンドの弱奏は絶品!
【プログラム】◇クイーンズバリー(ジェームズ・.ケイ) ◇ 歌劇「運命の力」序曲(ジュゼッペ・ヴェルディ/ライト編) ◇ ゼルダ(パーシー・コード) ◇ オール・マン・リヴァー(ジェローム・カーン/フリー編 ) ◇ バリトンのための協奏曲(ピーター・グレイアム) ◇ ヒーローズ(ブルース・ブロートン) ◇ ウォーキング・ウィズ・ヒーローズ(ポール・ロヴァット=クーパー) ◇ ル・シッド(ピエール・コルネイユ/スネル編) ◇ シー・シェルズ(フレッド・イネス) ◇ アランフェス協奏曲(ホアキン・ロドリーゴ) ◇ 竜の巣(アンディ・スコット) ◇ “キャッツ・テイルズ”より(ピーター・グレイアム) ◇ シャイン・アズ・ザ・ライト(ピーター・グレイアム)
【指揮】ニコラス・チャイルズ
東邦音楽大学ウインドオーケストラ 第210回定期研究発表演奏会
(11月21日(木) 17:00~ 文京シビックホール)
日本の吹奏楽発祥150年ということで、『吹奏楽の歴史、軍楽隊や自衛隊のために書かれた作品の歴史を振り返る』というテーマでプログラムが組まれていました。指揮は福田洋介氏。演奏された曲の中では、同氏の自作自演となる「シンフォニック・ダンス」が出色の出来でした。
【プログラム】◇フロレンティーナ行進曲(J.フチーク) ◇イギリス民謡組曲(R.ヴォーン=ウィリアムズ) ◇ 古典的軍楽「吉志舞」(伊福部 昭) ◇軍楽のための作品より(L.v.ベートーヴェン) ◇海の男たちの歌(R.W.スミス) ◇「シンフォニック・ダンス」より(福田洋介) ◇フェスティバル・ヴァリエーションズ(C.T.スミス) ◇[アンコール] 海を越える握手(J.P.スーザ)
【指揮】福田洋介
ジャパン・ウィンド・プレイヤーズ 第6回定期演奏会―アルフレッド・リード 小編成版作品集
(11月25日(月) 18:30~ 大田区民プラザ)
「ジャパン・ウィンド・プレイヤーズ」設立5周年記念として開催された、オール「A.リード」プログラムの演奏会。ロケットミュージックとタッグを組み、演奏曲の楽譜はすべて小編成用に編曲された同社出版(または出版予定)のものが使用されました。アンコールの曲以外、すべて中学や高校時代に吹いたことがあったので、懐かしかったり、当時を思いだして緊張したり、さまざまな感情を持ちながら聴きました。なお、この日のライブCDが来年春頃発売予定です。
【プログラム】◇音楽祭のプレリュード(A.リード/編曲:坂井貴祐) ◇春の猟犬(A.リード/編曲:高橋宏樹) ◇ 小組曲(A.リード/編曲:宍倉晃) ◇オセロより1,3,4楽章(A.リード/編曲:下田和輝) ◇アルメニアンダンス・パート1(A.リード/編曲:三浦秀秋) ◇第二組曲(A.リード/編曲:金山徹) ◇エル・カミーノ・レアル(A.リード/編曲:山田雅彦) ◇[アンコール] ミュージックメーカーズ(A.リード/編曲:坂井貴祐)
【指揮】佐藤正人